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マレビトの会『パライゾノート』
作・演出:松田正隆
出演:ごまのはえ(ニットキャップシアター) 筒井加寿子

2007年4月28日(土)19:00
2007年4月29日(日)14:00

全席自由
前売り一般3,000円/前売り学生2,300円
当日一般3,500円/当日学生2,800円





◆開催概要
「パライゾノート」は、主宰である劇作家・演出家の松田正隆が、砂連尾理+寺田みさこの新作ダンス作品用に書き下ろした戯曲を自身の手で演劇作品化します。出演者に、ニットキャップシアターを主宰する傍ら、自身のカンパニー内外での作・演出も行い、OMS戯曲賞受賞の記憶も新しいごまのはえ、様々な演出家との作品製作経験を持ち、フリーランスの女優としての歩みを着実に進めている筒井加寿子、活躍の場を拡げ続ける両名を向かえ、京都の小劇場から実験的かつクオリティの高い作品が創出されます。


◇マレビトの会 プロフィール
2003年、舞台芸術の可能性を模索する集団として設立。集団の代表でもある、松田正隆の作・演出により、2004年5月に第一回公演『島式振動器官』を上演する。以降2作品を発表。京都の小劇場であるアトリエ劇研を作品創作の拠点としている。非日常の世界を構想しながらも、今日におけるリアルとは何かを思考し続けている。


◇松田正隆 演出作品 「パライゾノート」
■作・演出:松田正隆
■タイトル:『パライゾノート』
■出演:ごまのはえ(ニットキャップシアター) 筒井加寿子

■内容:
声と人間の関係とは何か。
舞台上において、俳優が声を出すというのは、声が俳優に寄生しているように思えてならない。それなのに俳優が声を、あたかも自らの声のように発語することに欺瞞を感じていた。それならば「声と人物との乖離」を舞台作品の主題にしようと思った。
そして、書かれた言葉を声にする演劇の行為は、私たちの現実世界における声と人間の関係を問い直すきっかけになるようにも思える。そもそも、私のこの声はいったい何処からやって来たのだろう。
「わたし」の中に潜む他者性にはたらきかけることで、私自身の声がうわごとのように聞こえてくるのではないか。おそらく「死者の声」とは、そのようなものに相違ない。

■あらすじ:
背中に瘤を持った男と赤ん坊を背負った女。
瘤からは声が出る。声は、かつての男の妻らしく、その妻は自分はどんどん遠ざかっているのだと語るが、その声は男の瘤から聞こえ続け離れることはない。赤ん坊を背負った女は、赤ん坊を売って病気の母の牛乳代にしようとしているが、赤ん坊など売れるわけはなく、また男の前に戻ってくる。
声と赤ん坊を捨て去ることもできず、つきまとわれる男と女。とりとめもなく語り続ける声と決して泣くことなく沈黙し続ける赤ん坊。さらに、唐突に男と女に憑依するさまざまな小説や映画の登場人物たちが交錯する。

■松田正隆(まつだ まさたか/マレビトの会主宰)
1962年長崎県に生まれる。1994年『坂の上の家』で第一回OMS戯曲賞大賞受賞。1996年『海と日傘』で岸田戯曲賞受賞、京都市芸術新人賞受賞。1997年『月の岬』で読売演劇大賞作品賞受賞。1998年『夏の砂の上』で読売文学賞受賞。2000年京都府文化奨励賞受賞。文学座等、日本でも有数の劇団、プロデュース公演等に作品を書き下ろしている。


◇劇評紹介
テアトロ2005年9月号 劇評 含意される語り手 7月の関西より抜粋  評:太田耕人
演劇はその歴史的進展の中で語り物から抜け出し、語りの痕跡をそのテクストから消し去ることに腐心してきた。登場人物がそれぞれの人格を持ち、自然なやりとりを交わすのを規範としてきた。ところが先祖返りといおうか、現代劇のなかには語り手のすがたの伺えることがよくある。
 マレビトの会『王女A』(アトリエ劇研、7月2―10日)は、松田正隆がみずから演出した新作。即位を拒み失踪した王女Aのことを六人の侍女が語る、という設定だ。断片的な詩のようなせりふを俳優らが語りきり、通常の論理的脈略から解き放たれた言語空間を構築した。
 それぞれの侍女には固有の人格らしきものは看取できない。それもそのはず。ふつうの戯曲なら、せりふの冒頭にそれを語る役名が記してある。この戯曲にはそれがない。六人である必要もないのかもしれない。
(中略)
 深刻な問題を、作者はバーレスク化しているようにおもえる。おそらくこれが、作者にとってもっとも真摯な問題の差し出し方なのだ。木製の引出しを積み重ねたたかい列柱を、せまい舞台に十本も林立させた美術(奥村泰彦)が忘れがたい。傑作『島式振動器官』からこの作品は進化し、さらに実験的になった。正直いえば『島式』の段階のものをもう何作か観てみたい。



◇マレビトの会 作品紹介

『島式振動器官』
作・演出:松田正隆
出演:武田暁/田中遊/F・ジャパン/枡谷雄一郎/山本麻貴 
2004年5月/京都公演 ※第4回アトリエ劇研演劇祭参加作品
会場:アトリエ劇研 全13ステージ
2004年6月/東京公演
会場:こまばアゴラ劇場 全7ステージ

飛べない巨大な鳥の跳梁する港町。かつて貿易港として栄えた町も閉鎖され、住民らは怪鳥との共存を余儀なくされた。離島出身の犬男は鳥ハンターとなって生計をたてた。住民たちによる不気味な鳥の駆除は秘やかに行われていたのだ。幼馴染みと称する兄弟が、鳥の嘴に胸を刺し抜かれた瀕死の犬男のもとに訪れる。決して到達せぬ死の床で見た犬男の幻視体験。


『 蜻蛉
かげろう
作・演出:松田正隆
出演:牛尾千聖/鈴木正悟/武田暁/枡谷雄一郎/山口春美/山崎彰久/山本麻貴
2004年9月 ※新・KYOTO演劇大賞 第3次ノミネート作品
会場:アトリエ劇研 全8ステージ
出演:牛尾千聖/武田暁/F・ジャパン/枡谷雄一郎/山口春美/山崎彰久/山本麻貴
2005年2月 ※新・KYOTO演劇大賞 金賞受賞作品
会場:京都府立文化芸術会館


『 王女A 』
作・演出:松田正隆
出演:武田暁/田中遊/F・ジャパン/枡谷雄一郎/山口春美/山本麻貴
2005年7月/京都公演
会場:アトリエ劇研 全10ステージ
2005年8月/東京公演 ※夏のサミット2005参加作品
会場:こまばアゴラ劇場 全5ステージ

いつのことなのか。ある王国の王女が失踪し限りなく年月が経った。
彼女を探し求める侍女たちは、王女Aについての行き先を妄想するようになる。妄想は増殖してゆく。
昔大陸で死んだ王家の兵士たちもがよみがえるまでに。

「花嫁を焼き殺せ」という指令は一体誰から発せられたのか。
本当の亡霊とは何か。兵士の亡霊は誰によって企てられたのか。
亡霊の言葉にとりつかれた侍女たちが紡ぐ、宙づりになったまま、聞こえて来ない言葉―――。


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